ダイエットについて~栄養バランス~
先週に引き続き、ダイエットについてのお話をさせていただきます。
前回は単に食事量を減らす、のではなく筋肉を落とさないようにしなければならない、と話させていただきました。では、実際にどういった食事をすればいいのかを栄養バランスと一緒に例をあげていきます。
まず、人間は短期的なエネルギーとして糖質(炭水化物)、長期的なエネルギーとして脂質、体の基礎としてアミノ酸(タンパク質)が必要です。
それぞれ英語の頭文字をとって、
P:タンパク質(プロテイン)F:脂質(ファット)C:炭水化物(カーボ)
といいます。そして、健康的な食事のバランスをPFCバランスといいます。
それぞれカロリーに置き換えて4:2:4の比率で摂取するのが良い、と言われています。
日本人の食事はタンパク質の摂取割合がやや低いです(平成27年国民健康栄養調査結果:厚生労働省)
男性で主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほとんど毎日摂っている人で最低限必要なたんぱく質の摂取量60g/日以上摂っている人の割合は80%、食事がほとんど摂れていない人で66%となっています。これが女性になるとそれぞれ80%、58%となります。20歳以上の栄養素摂取量の平均値は1898KCalでタンパク質279.2KCal 脂質505.8KCal 炭水化物1036KCalと微量栄養素となっています。バランスに直すと
P1.5:F2.7:C5.7
となります。炭水化物が多く、タンパク質が少ないことがわかります。ダイエット時は脂質を制限するのがカロリーを抑える手っ取り早い方法ですが、脂質を抑えすぎてはいけない理由があります。これは最後に説明いたしますね。
普段の食事にお弁当を買うなどすると白米が多めだったり、菓子パンを食べてしまったりと炭水化物が手軽に摂れてしまいます。なので、無理のない範囲で徐々に肉類、豆類を意識して摂るようにしていただきたいです。低カロリー、高タンパク質の代表といえば鳥の胸肉やササミですが、調理方法をかなり工夫しないと苦行になってしまいます。茹でた後に細かく裂いて豆腐にのせて棒棒鶏などにすると食べやすいですが、お弁当にするのはちょっと難しいですね。今はコンビニに売っているサラダチキンがかなり食べやすいのでお昼ごはんにオススメです。ただ、食事のみでタンパク質を必要量摂ろうとするとそもそもの量が多くなり、食べることそのものに嫌気も差してしまいかねません。ですので、食事をしっかり摂った上でプロテインなどのサプリメントを使っていただければと思います。
種類にもよりますが、だいたい300ccの水か牛乳に30gほどを溶かして飲むと、一杯で20gほどのタンパク質が摂れます。最近のは味もおいしいものが出ていますのでオススメです。参考までに私の標準的な1日の食事を載せます。
朝食:オートミール80g 水餃子3個 目玉焼き2個 プロテイン1杯
カロリー791KCal タンパク質52g 脂質23g 炭水化物84g
昼食:そば380g サラダ100g 豆腐1丁(100g)
カロリー568KCal タンパク質23g 脂質7g 炭水化物104g
おやつ:バナナ2本
カロリー210KCal タンパク質3g 脂質4g 炭水化物54g
夜食:棒棒鶏(豆腐2丁、鶏むね肉50g)卯の花60g プロテイン2杯
カロリー540KCal タンパク質80g 脂質15g 炭水化物18g
です。合計カロリー2109KCal タンパク質158g 脂質52g 炭水化物260g
となります。トレーニングをしていない日ですが少々タンパク質が少なく、炭水化物が多いです。ドレッシングはノンオイルのものを10g以内にしていますので、ほとんどカロリーに関わらないため記載していません。PFCバランス 3:2:5意外と列記してみるとタンパク質を摂るのが難しいことがわかるかと思います。なので、手軽に摂れるプロテインをオススメしている理由がここにあります。そして、当たり前ですが、ご自身の体重によって必要なタンパク質量は変わってきます。厚生労働省では60g/日としていますが、体重で見た場合㎏をgへ変換(60㎏なら60g)その数値の1.5~2倍程度は摂りたいところです。
体重60㎏の人なら、タンパク質90~120gほどですね。このくらい摂れると筋肉の維持、成長に使えるアミノ酸が確保できますので、運動による筋肥大が実感できると思います。
そして、脂質を抑えすぎてはいけない、といいましたがこれは脂質がステロイドホルモンや皮膚の細胞膜など体になくてはならない栄養素だからです。脂質が少なすぎるとステロイド系ホルモンの男性ホルモン(気分の高揚や抗うつ作用、筋肉合成の促進)、女性ホルモン(女性らしい体型、新陳代謝アップで肌ツヤ、髪質アップ、月経の安定)、糖質コルチコイド(糖質代謝や炎症の抑制、アドレナリンの制御)が失われてしまいます。なので、多すぎはもちろん良くありませんが、少なすぎても大変なことになりますので、適切な量を摂るよう心掛けてください。
次回は運動前後の栄養をお話させていただきます。
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